研究方針

 人類の生活は様々な生態系サービスの上に成り立っています。生態系の恩恵を持続的に享受していくためには、生態系の持つ多様な機能をできる限り保全するとともに、劣化した生態系の修復、望ましい生態系の積極的な創出を図ることが必要です。本研究室では、環境システムを生態系や物質循環の視点から捉え、人間活動の生態系への影響、生態系の保全・修復・創造技術、生態系の変化と社会システムの関連を解析・評価するための研究に取り組んでいきます。
 特に、地球表面の約7割を占める海洋は、地球の気候、食料、エネルギーなどの問題に非常に重要な役割を担っています。また、陸と海の接点である沿岸海域 はその豊かさ故に過大な人間活動の影響を受けており、さまざまな海洋環境問題が生じています。総合的・戦略的な環境影響評価は、持続可能社会を実現するための海洋利用を進めるために不可欠です。本研究室では、適正な海の利用や海洋環境の保全・修復に関する議論を進め、合意形成や政策決定を支援するために、生態系などの自然環境のみならず社会経済的な視点もふまえて、海洋環境システムを分析評価するための研究を行っています。
 手法としては、海の流れや生態系、さらには社会経済システム等をモデル化し、コンピュータ上でシミュレーションを行うことによって、物質の循環がどうなっているのかを調べたり、人類の活動によって海の環境に将来どのような変化が起こるのか、また逆に海洋を利用することによって社会や経済にどのような変化が生じるかを予測・分析します。
 新しい海洋利用技術の評価や、海洋・沿岸域における生態系の保全・修復・利用に関する施策の評価を通して、持続可能な海洋利用の実現を目指しています。


海域肥沃化技術の評価の為の食料経済モデル